□前書き
樽の解釈というか、邪推により補完して書いているため、注釈を入れないと、一部「?」になると思って設けた前書き。判りにくいものを書いてすいません。
カイが死んだことにより、人を指揮する能力皆無ながら強いからと指揮官にされたソル。ギアを率いているのはジャスティスではなく、娘のディズィー。そして人は劣勢も劣勢、最後の砦であり残された一振りの剣といっても良い風前の灯状態の聖騎士団は得た情報により最終決戦といってプラントに攻め込むことを決意。
カイ死亡によりギア優勢で進んでいる聖戦なのに、ジャスティスは何故か死んでる。多分殺したのはディズィーの怒り方からして、ソル。ジャスティスを倒しながらも、人が優勢にならなかったということは、その時すでにディズィーがジャスティスの元にいたということなのか?という疑問。じゃあ、何故ジョニーが死んでいるのか?快賊団のことだからギアから人を守ろうとして救助していたらそこをディズィーに襲われて・というのも判るが、なんか腑に落ちない。カイがいないことがどうしてディズィーがギアを率いることになるのかにも、全く関わってこないことになるじゃん・という疑問。
なにより、カイが死ぬかどうかで聖戦の戦果が大きく変わるの?という疑問。

ので、樽はこういう流れだと思うことにした。

カイ死亡→ジャスティス、ソルに敗れ死亡→ディズィーがジャスティスが死亡したことによりプラントの一つで覚醒するもジャスティス死亡の混乱により、ギアの手を離れる→人に拾われて育てられのゼクスの流れ→聖戦下、ギアだとばれたことにより追われたところをジョニーに拾われる→ジャスティスの死を知り、ディズィーはジョニーを殺して快賊団から離反→ギアを率いる
の流れで!ジョニーを殺す件が非常に負けず劣らず強引ですが、母親が人に殺されたことを知って、ギアを率いようとしたらジョニーは是が非でも止めようとするだろうし、ギアと人の共存は人が否定している状態で、敵であると認識した以上ディズィーはジョニーを殺すべき敵として殺せると思う。あと人すべて母の仇・と見ている感じで書いたので。(結局は樽の匙加減)
というか、ディズィーと名前をつけたのは老夫婦なんだから、ディズィーと呼ばれている時点で、その時期があったのは確実・・・か?ジャスティスは娘になんて名前をつけたかったのか、激しく知りたい!!


つまり・・・・・・・愛って偉大だね!
「この裏切り者が・・・」
プラントの場所が知られたことなど問題ではないとでもいうかのように、ディズィーはプラントにいた。実際、すでに稼動しているギアで十分戦力的に勝っているのだから、まさにその通りなのだが。
高ぶるディズィーに呼応するかのように背に負った翼の二人も猛る。目の前に現れたソルを威嚇するように喉を鳴らした。
「なぜ人の味方をする?」
静かに、だがその胸中は激しい。ソルを睨むディズィーの目は、ソルがかつて見たものとはあまりに変わっていた。赤い目はそのまま血の色といって良い、憎しみ渦巻くその目はかつての輝きではない。
「それはこっちの台詞だ・・・お前はジャスティスとは違う、てめぇの心は自由な筈だ・・・!何故人を殺す!何故こんなことを選んだ!」
ソルの言葉に、ディズィーの顔が歪んだ。
「お前が母を語るな!名を口にすることすらおこがましいというのに!お前は、お前だけは殺す!この手で必ず殺してやる!」
激昂するディズィーの力が、そのコントロール下から離れたか、あたりにビシリ・と音をたてて雷が走る。
「何でお前なんだ!何でお前がそんなこと・・・・そんな顔が出来る!?母は・・私の母は、お母さんは!」
幼い容姿に似合わぬその殺意、あどけない顔を歪めてディズィーは涙を浮かべた。激しく走る雷は、かつての母親の姿を髣髴とさせる。
「餓鬼の泣き言か」
「な・・・んだと」
泣くディズィーに、ソルは苛立たしげに呻いた。そしてそれはディズィーの怒りに油を注ぐ。来るだろう攻撃に備えてソルが身構えた瞬間、一艇の飛空艇がディズィーめがけて突っ込んできた。
「!?」
「ジェリーフィッシュ・・・」
船に描かれたマークを見てソルが小さく呟く。
「ジョニーの仇ぃ!!」
小さな船長の孕む限りの憎悪を込めた声が響いた。それを見据え、ディズィーの緑の翼が形を変える。竜の顎となったそれは、膨大な法力を一瞬にして具現化し、飛空艇目掛けて放たれた。
「虫けらが・・・!」
ディズィーの怨嗟を込めた呟きは、撃沈する爆音に掻き消される。空中で粉々に砕け散った飛空艇の破片が降り注ぐ中、ディズィーは薄っすらと微笑う。
「・・・私が何も知らないと思って・・・知らないままでいれば良かったと?・・ふ・ふふ・・・・反吐が出る。親切のつもりか?差し伸べられた手が何より大切な人の血で塗れていたと知らないまま、私に阿呆のように笑って生きろと?」
「本気でいっているのか?あいつらは・・・お前を一人の人間として迎えたと、本当に判らねぇ様な餓鬼なのか!」
ソルの怒号に、ディズィーは壊れた笑みを浮かべたまま、
「人間なんて・・・滅びれば良い、母を生み、全ての業を押し付け、死ぬまで・・・いや、死ですら利用した。母を道具と貶めた。己で生み出したことも理解出来ずに、私達に“悪”という烙印を押し付ける。その罪深さはもう・・・生きていても贖えない」
フフフ・と微笑うディズィーを、白い翼の女が抱きしめる。抱きしめるその表情は慈愛に満ち、壊れかけているディズィーを真に案じていた。
「愚かな・・・・愚かな害虫、そんなものの為に母が在ったなどと認められるものか!」
また一艇の飛空艇がネクロの攻撃によって撃墜される。かつてのディズィーであれば、その衝撃に耐えられずにあったその攻撃を、難なく使うどころか連発すらしている。戦うことを選んだことが、ディズィーを飛躍的に強くした。
「餓鬼が・・・癇癪で人を滅ぼすか、救えねぇ・・」
そういったソルの額の刻印が微かに光ったように見えた。そしてソルは人の姿を捨てる。
「てめぇは死ね!」
ディズィーは跳ね上がったソルの法力に臆することなく、
「母への手向けだ・・・朽ちろ!!!」
ディズィーの周りに浮かび上がった法陣が、ソルの振り下ろした炎の柱のようになった剣を受ける。そこへ白い女が雷を這わせた槍を投げつけた。ソルを追尾して迫るそれを、ソルは強引に腕で叩き落すと、更にディズィーに迫る。だがディズィーはそれを後ろに跳び退って避け、面前に足元から火柱を上げた。ソル目がけて突き進み、ソルは更に剣に炎を這わせると力任せに振り払う。
「母も・・・同じ力で屠ったのか?」
ギアとしての力を覚醒させたソルに、ディズィーは熱で浮いたような声でそう問う。ソルの止まぬ攻撃を翼達が捌くのを見ながら、ディズィーはソルを見ていた。ソルはディズィーの問いには答えない、ひたすらに手を休めることなく攻撃を繰り返す。
不意に頭上を影が過ぎった。ギアの攻撃でまた一艇の飛空艇が落とされたらしく、黒い煙を上げながらプラントを越えて落ちていく。防御を翼に任せていたディズィーは、それを見上げて落ちていくだろう方向へと頭を巡らせ、そして体を強張らせた。顔を青ざめさせ、小さくあ・という声が漏れる。ディズィーの異変に翼達も気付いて動きを乱れさせた隙を突き、ソルは緑の翼に剣を突き立てた。深々と突き刺さり、ネクロは苦悶の表情を浮かべて叫び声を上げる。
「お母・・・さん」
ポツリとディズィーが呟き、ソルを見もせず振るった左腕が、ソルをいとも簡単に振り払った。そして、ソルに背を向けて飛び立つ。先に見えるのは森、そして古城か何かの尖塔。
「待て!!」
ネクロの傷の所為で、素早くは飛べないまでも飛び立ったディズィーを追いかけるソル。意識を集中し、普段使っている法術を組み替え、火柱をディズィーの背へと放つ。
「お母さんが・・・」
全くソルへの警戒を解き、ひたすらに落ちていく飛空艇を追いかけるディズィー。火柱をネクロに受け、とうとう落ちる。
「誰か・・・誰かあれを止めろぉ!!!」
落ちていく飛空艇のことをいっているのだろう、あたりにいたギア達が人間への攻撃の手を止めて一斉に動き出す。一斉攻撃を受けて空中分解する飛空艇、その破片が古城に降り注ぐ。あぁ!とディズィーが悲鳴を上げた。
追いつこうとしていたソル目がけて、白い翼から氷の塊が投げつけられる。ただの球体に見えるが、大きな口を開けると噛み付こうと飛び掛ってきた。ソルがそれを砕こうと剣を振れば、それは器用に攻撃を避ける。その隙を突いて、ディズィーは傷ついたネクロとウンディーネを叱咤して、空へ飛び上がった。
「お母さん!」
はっきりとそう呼んだのが、この激しい戦闘を繰り広げられる中、今度はソルの耳にも届いた。ソルの視界に映る古城を見てディズィーがそういったのだ、そこにあるということにソルも気付く。飛び立ったディズィーの背は小さいものの、見失いはしないし、どこに行くかも判っている。逃がしはしない・とソルは駆け出した。


「久しいな・・・・」
白い花に埋め尽くされ、外の喧騒とは隔絶された空間にある友の亡骸を前に、男は一歩踏み出した。といっても、外で行われている戦闘の音はひっきりなしに聞こえている。城の最奥にある部屋に眠る友を見て、この城自体が友の墓なのか・と男は思った。全てのギアが出払っているからすんなりと此処まで来れたのではない、侵すべからざる聖域と、ギアが立ち入ることを彼女が禁じたのだろう。今此処にいるのは自分と友、そして自分を助けた目的の判らない女。
「辛気臭いところだねぇ・・・こんなギアの死体なんざ後生大事に、化け物の気が知れない」
チッ・と舌打ちと共に悪態をつく女を一瞥し、それを気付かれる前に友へと視線を戻した。痛々しい傷跡がなければ眠っているようにも見える友の傍に膝をつき、燃えるような赤い髪に手を伸ばす。死んでから時間が経つはずなのに、さらりと指から零れる髪は、それこそはるか以前と変わりない。
「こんなところじゃ舞台が見れない・・・さっさと出ようぜ!」
「ついて来てくれとはいっていない」
「へ〜ェ、命の恩人に向かって随分つれない言い方するじゃなぁい」
「此処が墓だと判らないのか?」
「化け物の墓なんて気味が悪いだけだね」
「・・・そうか」
冥福を祈ることなど出来る立場ではない、ただ一目会っておきたかった・という思いが此処に男の足を運ばせた。彼女の願いとも、自分の思惑とも外れて転がるこの運命の輪を、彼女は今どう思っているのか・そんな意味のないことへと思考が陥り、男は小さく頭を振った。
「さようなら」
翼を落とされた飛空艇が、どうやら近付いてきていたらしい。空中でばらばらになったそれが窓から見える。このままでは破片がこの部屋にも降るかもしれない・と法術を展開して結界を張った。これでこの部屋を含む城の半分ほどは被害を受けずに済むだろう。
「その化け物はあんたの知り合いか?」
その様子を見ていた女は、帽子のつばを持ち上げながら聞いてきた。あぁ・と小さく答えると、興味の薄そうな顔で、そぅ・と呟く。
「ディズィーがこちらに向かっているな」
「?判るのかい?ッてことは舞台はこっちに移ったか。ラッキーだね、こんなところでも来た甲斐があったか」
「この城は戦場とはならないだろう・・・彼女も彼も、此処は汚さない」
それだけいうと、よく判らなさそうな顔をした女を置いて、先に部屋を出た。


「ジャスティス様!」
廊下の窓から飛び込み、乱れた息も整えずに部屋を目指して駆け抜ける。思っていたより辺りの被害は少ないが、それでもだからといって楽観は出来ない。こんなことがないようにと、プラントの辺りに戦端を開いたというのに・とディズィーは顔を歪めた。長い廊下を駆け抜け、ジャスティスの元に辿り着いたディズィーは、変わらずそこにいたジャスティスの姿に、安堵の息を漏らした。男が張った結界は役目を終えると跡形もなく消え失せていた。恐らく残っていたとしても、今のディズィーでは気がつきようがなかったのだろうが。
「ジャスティス様・・・・」
良かった・と呟き、そこでネクロの訴える鈍い痛みに気付いた。安心した所為か、ジャスティスの目の前まで来るとぺたりと座り込む。じわりと涙を滲ませ、ディズィーはジャスティスの遺体を見つめた。ぼろぼろと涙が零れ、それを拭う袖はすぐに濡れて大きな染みを作った。
「・・・ジャスティス・・様・・・」
母と呼びたいのだ、本当は母と呼びたい。生きていた頃に一目でも会えていたら、もっと上手く想えただろうに・と胸を締め付ける。母がしようとしていたことを継ぐのが、弔いでもあり母の意思だと信じて、ディズィーはギアを率いた。だが、事実はどうなのか、ディズィーにはジャスティスを判断する為のものが何も持っていない。どんな人だったのかと、テスタメントや他のギアに聞くことは出来ても、それは母の心の奥に触れるものではなかった。唯一知っているかもしれない男は許されざる敵だった。
「・・・うぇ・・・うぅ・・」
母をギアとした男を捕らえたものの、黙って協力はするが一切の口を割らせることは出来なかった。結局母の真意を汲むことは出来なかった。
「何故・・・何故私は何も持ちえないのですか?」
外で続く戦闘の音など聞こえないかのように、その部屋にディズィーの泣いて掠れた声が響く。少女を取り戻したように、ディズィーは涙を堪えきれずに泣き続けた。ぼんやりと頭の隅では戦線を離れたことを後悔し、戻らなければいけないと思うのだが、それでも涙が止まらない。
「お母さんと・・・呼んで良いのかも判らないのです」
母は自分を愛してくれていたのだろうか・とそんなことまで考え始めれば、もうギアの頭領として戦えるのかすら危うい。判っていても思考はどんどんと転がり落ちる。
不意に背後でがらり・と何かが音を立てた。弾かれたように振り向けば、そこにはソルの姿があった。ジャスティスの遺体を前に、固まったソルの喉目がけ、ディズィーは駆け出して爪を切っ先のように伸ばした手を突き出す。咄嗟のところでソルはそれを避けると、ディズィーを突き飛ばして距離をとった。
泣いていた少女の顔は消え失せ、部屋にそれ以上一歩でも入らせるものか・とディズィーは鋭くソルを睨みつけた。
「この場所に・・・お前が踏み入るなど・・・ッ!」
「墓を・・・荒らすようなことをするつもりはねぇ・・・!」
ディズィーはソルの脇をすり抜け、廊下の窓の一つに足をかけると、そこから飛び降りる。ふわりと着地すると、窓から下を覗き込んでいたソルを見上げた。ソルもディズィーと同じ窓から飛び降りると、二人は対峙した。

細い体をぼろぼろにしながら、ディズィーは微笑う。幼い少女らしいあどけない微笑を浮かべ、満身創痍のソルを見ていた。
「・・・私の・・・勝ちだ、殺せないのは口惜しいが・・・その体で残りのギアを全て倒すことなど出来ないだろう?・・・私が死んだところで、ギアは活動停止などしない・・期待などしないことだ」
フフフ・と微笑っていたディズィーは、体を折って激しく咳き込んだ。ぼたぼたと音を立てて血を吐き出す、法力を許容を超えて使った反動だろう。白い翼も緑の翼も、もう人の姿を取れないくらいに疲弊している。
「私はギアを解放したり・・・ッ・・しない!最後の一体まで人の喉笛食いついて噛み切ってやる・・・」
千切れかけた左腕を抱きしめ、ディズィーは一歩後退った。
「これが最期なの・・・二人ともお願い」
ディズィーは消え入りそうな声で翼の二人に声をかけると、白い翼がブルリ・と震えて大きな泡を放った。それを避けるように動いたソルだったが、その泡はしっかりとソルの動きを追う。舌打ちをしてソルが剣で振り払おうとした瞬間、緑の翼が放った鎌がその泡にぶつかった。ぱちんとシャボン玉のように弾けたそれは、その見た目とは裏腹に法力の塊が飛礫のようにソルに降り注いだ。そしてその隙にディズィーは古城の窓めがけて飛び立つ。ソルはすぐに体勢を立て直すと、大きく振りかぶってディズィーの背中めがけて剣を投げつけた。
「ぁッ!」
わき腹深く切り裂いたそれを、ディズィーは投げ捨て、それでも窓へと辿り着くと、倒れるようにその中へと姿を消す。
「ジャ・・・スティ・・・様」
ずる・と足を引きずるように、ジャスティスのいる部屋を目指し、ディズィーは歩く。決して手の届かない月の様に、歩き慣れた廊下が遠く感じる。ソルとの激しい戦闘で、ディズィーの体はとうに限界を超えていた。痛みもどこか夢のことのように遠く感じる。 ふらふらとようやく辿り着いた部屋の入り口に寄りかかり、ジャスティスの姿を見とめた。苦しかった表情が嘘のように綻び、左手を抱きしめていた右手をジャスティスへと伸ばし、
「おか・・あ・・・」
寄りかかっていた場所から離れた瞬間、ディズィーは糸の切れた人形のように倒れこんだ、その体を受け止めたのは追いついたソル。息絶えたディズィーを抱き上げて、ジャスティスの元へ運ぶ。傷ついた体も、痛みも苦しみもないかのように幸せそうに微笑むディズィーをジャスティスの腕の中に寝かせた。
ジャスティスとディズィーの髪を一筋ずつ切り取ると、
「・・・お前にこんな死に方して欲しかったわけじゃねぇ」
そうだろ?と友に声をかけ、ソルは床に剣を突き立てた。ごぅ・と音を立てて炎が沸き起こり、ジャスティスとディズィーの体を包む。炎に巻き上げられた白い花びらが舞い上がる。それすら炎から逃れることは出来ずに火の粉と共に燃え踊る。
二人の髪を握り締め、炎が燃やし尽くすのを見ていたソルは、ぐらりと体を揺らして倒れそうになるのを膝をついてこらえた。ギアの力を全て引き出した状態で尚、ディズィーに負わされた傷は深い。更に消耗自体が激しい為に、自己修復の機能が完全には働かない。だが、外ではまだギアとの戦闘が続いている。ソルは重い体を引き摺るように、戦場へと向かった。
「もう何もかも手遅れだったとしても・・・俺は止めるわけにはいかねぇ」
自分が戦う理由は人にあるわけではない・ソルは誰にも語らなかった、そして語れなくなったその思いを胸に、剣を握りなおした。

最期のあの時、ソルと呼んだあの人の目を思い出した。懐かしさとまた逢えた喜び、そして喪失。胸に大きな穴を抱えたまま、ソルは最期まで剣を振り続けた。待っているだろうことを想像すると、どれだけ死に瀕していても、自然と笑みが零れて穴の中に何かが湧いた。
戦場に咆哮が木霊した。


「希望は潰えた・・・・世界は救われた」
人の最後の砦が瓦解していくのを見ながら、男はそう呟いた。聖騎士団が敗れた今、ギアが人を滅ぼし終わるまで大した時間はかからないだろう。
「これも一つのかたちか・・・」
ありありと落胆を滲ませて、男は小さく頭を振った。
□後書き
あ・・・・・・・・・・ああああああああああああああああああ
自分で書いておいていうのもなんですが、「SS」というには長過ぎましたね。すいません。orz
他にも謝らなくてはいけない様なことが一杯ありますが、とりあえず一番はそこなんで、すいません。

なるたけ、CDの内容からそれほど外れないようにしたんですけどね・・・・あれはソルとディズィーは相打ちだったと思ったんですけど・・・・違うのかな?ソルが負けて人が負けたから、「希望は潰えた」んだと思ったんです。ので、そんなラスト。
ディズィーが機能は停止しない・といったのは、ジャスティス死後にギアが機能停止したのは、ジャスティスがギアに出していた指示を取り消して、命令受信状態以前に戻したから・だと樽は思っているからです。で、ディズィーはそんなことしないぞ!といっていると。
ジャスティスが何でそんなことしたのかといえば・・・そのままだとギアが兵器だから?人の支配から脱させて、聖戦下には自我がなかった個体も自我を手に入れて、生物として生きていけたわけですよね。共存の為には必要なプロセスだと思うんですが?兵器とは共存できないですもんね。
ジャスティスの中では・・・・自分が負けることは、目的達成の為に織り込み済みな気がする。素体だけが知っている事実だったとしても。だからジャスティスの最期ってあんなにさばさばしてるのかな・って。

このディズィーは頭が弱いのかな?という位いうことがめちゃくちゃですが、それ位が丁度良いかなと思ったり。自分にいい聞かせる意味もあるので。寄る辺ない心を抱えた三歳児ですから。