目の前にあるガラスケース、その中で揺蕩う姿を目に刻む、時が経ったことを忘れてしまうような変わらぬその姿を。
鏡を見ても同じことではあるのだけれど、それでも今目の前にいる友の姿を焼き付けておきたかった。
従順な人型ギア・そう呼ばれる友を。
「君に・・・謝るなんて・・私はその資格を持たない」
だがそれでも見ていると、これから起こることを思うと、口をついて出てしまいそうになる。
人の目の前にギアという技術をぶら下げた時、人はあっさりとそれに食いつき、たいした労力も払わずにギアを量産できるまでに至った。
そして完成型GEAR一号である彼女をギアにする為に、今プロジェクトは動いている。
人は人の欲の為の戦いに、人の血ではなくギアの命を対価とするらしい。
そうなるようにと仕向けはした、だが人は勝手にそこへと流れた。
あっさりとことが進むほどに、心は空虚になっていく。
人の愚かなところを突いたのだ、だがその愚かさを目の当たりにし続けると、自分のしようとしていることの意味を思う。
それでももう後には引けないし、全てを愚かと括れるほど自分は賢いわけではないし、高きに置くつもりはない。
以前と変わらぬその姿、だがもうそこに友と呼んでいた時の片鱗を見ることは出来ない。
GEARとなった時に、自分は彼女から全てを奪った、記憶も感情も、人としての幸せも女の幸せも。
これが成功すれば彼女は失った自我をもう一度得るだろう、それは彼女が戻ってきたことを意味するものではないが。
兵器として作られたギアではなく、兵器に作り変えられるGEAR。それが彼女だ。
「希望なのだ・・・・」
ガラスケースに伸ばした手を硬く握り締めながら、そう噛み締めた歯の隙間から零す。
言い訳だと、自分にいい聞かせているだけに過ぎないのだと、嫌になるくらい判っている。
だが、信じているのだ。

「君と彼・・・・巻き込んだのは私の弱さだ、起こる災厄を知った時、私は最善と思える道を模索した、そしてそれを選んだつもりでいた」
「姿も記憶も幸せも奪って、罪を負わせた」
「その日が来るまでの長い間、誰も私を知る者がいない中、私は自分が犯した罪を忘れずに、壊れずに・・・いられる自信がなかったのだ」
「君達とある限り・・・私は私でいられるだろう、誰もが忘れ、誰にも知られずにいようと、君達が私の罪を問うだろう」
「犠牲を強いたからこそ、私は・・・・抗うと、抗うことを止めぬと決めた」
□後書き いつだってあの男にはジャスティスに謝ってもらいたい気持ちで一杯です! 火男には「悪いことをしたと〜」といっていたんですよ。 ジャスティスには?ジャスティスにはいわないの? 火男よりも悪いことしたな・と思ってるから、いうことすら憚れて・ってこと? そんなん良いから墓前で土下座しやがれー!(T□T) 額の皮がずる剥ける位地面に頭こすり付けて土下座しろやー!(`□´) うわーん。OTL
ジャスティスの墓前ってどこだー!やっぱり封印されていた次元牢なのか?というか、遺体は封印されてしまったのか?KY発言が気になる・・・・。

あの男って最初から人間だったのか・と疑問に思わないでもないのですが、やることがちょっとよく判らないですよね。
とりあえず謝らないのは、許されようとしている行為だと思うから。 許されちゃいけない以上、謝れない・というのがうちのあの男。 アリアに対してどういった感情抱いていたのかは判らないけど、GG2のあの男は文句なしで気持ち悪いですよね。 忘れよ。