「おいくそ餓鬼」
「何おっさん?」
「止めないか」
□硬く握り締めたこぶしを振り回すソルと、それからひょいひょいと逃げ回るヴィー。□そんな二人を呆れた様子で見ているクリフは、やれやれ・と溜め息をついて、焚いている落ち葉をつついた。□中には芋が入っていて、それを楽しみにヴィーはアパートの周りを掃除するクリフに付き合っていたのだが、何故かソルが途中から加わっていた。
「お前はジャスティスが好きだとかいってやがるんだよな?」
「そだよ、ジャスティス大好き!」
□嬉しそうに頬を緩めていうヴィー。
「ジャスティスを嫌う奴が嫌いだと?」
「うん!ジャスティスが嫌いな奴も嫌いだから、アンタのこと大ッ嫌いー」
「・・・・・別にお前に好かれたくなんてねぇから、それはどうだって良い。ってことは・・・・ジャスティスが自分を嫌う場合お前はどうするんだ?」
「え?」
「だから、ジャスティス“が”ジャスティス“を”嫌っている時だ」
「ジャスティスが自分嫌い・・・?」
「あぁ、ジャスティスを嫌う者とジャスティスが嫌う者・・・お前が嫌いだといったものとジャスティスが同じになるわけだ」
「俺ジャスティス好きだよ!!」
「でもジャスティスが嫌うものは嫌いなんだろ?」
「ぅあ・・・・そ・・・ういったけど・・・・」
□ソルの言葉に目に見えて混乱しているヴィー。□それを尻目に、ソルは焼けた芋をかき出して齧りついた。
「あんまり子供を苛めるな」
「ジャスティスが好きだ好きだとうるさいからだ」
□全くしょうのない・と呻くクリフに、ソルはつまらなそうに鼻を一つ鳴らして、二つ目の芋を食べ始める。□ヴィーが「どうあってもジャスティスが好きなのは不変!」と結論を出す頃には、ソルも芋も消えていた。